世界中で大ヒット中の米映画「アバター」(ジェームズ・キャメロン監督)の人気に便乗しようと、中国国内の3つの景勝地が「映画のモデルになったのは当地」と名乗りをあげ、火花を散らしている。湖南省では世界遺産の巨石の名称を映画にちなんだものに改称しようとの動きもあるが、中国国内では「外国映画を使った金もうけ」と批判的な見方が大勢だという。 湖南省張家界市の世界遺産、武陵源地区にある巨岩「南天一柱」は、映画の中で焼け落ちる大木を連想させると評判になった。 地元関係者は、2008年12月、「アバター」の撮影スタッフが3日間にわたって同地区の奇景を撮影していったと主張。同地区が、異星人が暮らすパンドラ星の「ハレルヤ・マウンテン」の原型になったとし、巨岩の名称を「アバター・ハレルヤ」と変更することを画策している。このほか、キャメロン監督に名誉市民の称号を与える案も検討されており、旅行会社も「アバター」との関連をうたったツアーを企画中だ。 同様にモデルの地位を主張して譲らないのが、仙境とも呼ばれる安徽省の世界遺産、黄山。黄山の公式サイトは、キャメロン監督が映画の宣伝で北京を訪れた際、「ハレルヤ・マウンテン」は黄山からヒントを得たと述べたとし、「アバターのハレルヤ・マウンテンは黄山を原型とする」とのバナーをはって正当性を訴えている。さらに、中国道教の聖地、五岳の一つに挙げられる陝西省の華山も論争に参入している。 しかし、共産党機関紙「人民日報」系の環球時報(英語版)によると、中国国民の多くは「国の宝を売ろうとしている」と名称変更に批判的で、インターネット上の調査では、約4万6千人の回答者の84%が変更を支持しなかった。 批判の大きさに慌てた地方政府当局は「住民が独自に名前を変えた」と責任を転嫁しながらも、「民間の努力には反対しない」と名称変更による観光促進策を黙認する姿勢を示している。
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