中国・四川大地震の被災者救援活動に当たる日本政府の国際緊急援助隊の第1陣31人が16日未明、四川省成都の空港に到着した。北に約400キロ離れ、深刻な被害が出ている同省青川県関荘に移動し、作業を始める。今回の地震で外国の援助隊が現地入りするのは初めて。新華社通信によると、胡錦濤(フー・チンタオ)国家主席が16日午前、空路で初めて被災地に向かった。
中国の通信社、中国新聞社によると、日本政府の援助隊が中国で救助活動をするのは初めて。人民解放軍など約13万人の部隊が救助に当たっているが、被災地の面積が広大で、機材や物資が不足しており、作業は進んでいない。中国政府は16日、新たにロシア、韓国、シンガポールの3カ国からの救援隊派遣受け入れを決めた。
成都に到着した援助隊の31人は16日未明、2台のバスで青川県に向かった。東京消防庁のハイパーレスキュー隊から派遣された隊員の一人は空港で「雨が降って水分があるので、生存者もいると信じている。地獄のような状況だと覚悟しているが、1人でも多くの中国人を救いたい」と話した。空港で出迎えた中国外務省の担当者は「地震多発国の日本は救助の経験にたけている。そのノウハウを生かしてもらいたい」と話した。
現地には同日午前9時(日本時間同10時)に到着予定だったが、約30キロ離れたところで交通事故が発生して道路が不通になっていたため、別ルートで現地に向かっている。
援助隊は16日午後に成都に入る予定の第2陣30人と合わせて総勢61人。警視庁機動隊員ら警察20人、東京消防庁のハイパーレスキュー隊員ら消防関係17人、海上保安庁の特殊救難隊員らで構成されており、警察犬と、がれきの下にいる被災者を捜し出すファイバースコープなどの機材を使い救助活動に当たる。
青川県は家屋の8割以上が倒壊しており、人口約25万人のうち、わかっているだけで1500人が死亡、1万人が負傷している。県内にある木魚中学校の3階建ての宿舎は地震で倒壊し、約300人の学生が生き埋めとなった。幹線道路が封鎖されており、救助隊員が到着しなかったため、住民らが自力でがれきを撤去し、140人余りを救出したが270人の死亡が確認された。
中でも援助隊が作業する関荘地区は大規模な山崩れが発生しており、700人が生き埋めとなっている恐れが高い。15日には温家宝首相が成都から船や鉄道を乗り継ぐなど半日以上かけて現地入りして、被災者を慰問した。
中国メディアも活躍に注目しており、新華社は「我が国は初めて外国の救援隊の災害救助を受け入れ、日本の救援隊はその第一号だ」と報道した。