乾き切った白い土と小石が交じる工場跡地。そこに薄っぺらなビニールシートで四方を囲った北川中、高校の避難所があり、この日の朝、北川中1年の伍順莉さん(13)が、外で文章読解の参考書で自習していた。
「今日から学校に戻れるからうれしい。震災後も自習を続けていた」。そう言うと、少しだけ口元がゆるんだ。授業中に地震が学校を襲い、建築現場に出ていた父親とは、いまだに連絡が取れない。母親は別の避難所で雨露をしのいでいる。
「パパどこにいるの。とても恋しい。でも、まずはママと暮らしたい」と小さな声でもらした順莉さん。手にした読解文のタイトルは「抱一抱、母親(お母さん、抱き締めたい)」。まるで彼女の気持ちを映したかのようだった。
順莉さんは約1300人の仲間と20日午後、大手家電メーカー「長虹」の訓練センターに移った。芝生の上に、緑色の厚手生地の本格的なテントがいくつも用意され、授業は屋内で受けられる。
引率した教師は「表面上は普通に見える子どもたちですが、心に負った傷は言葉に言い表せない」と言う。心のケアが学校再開の第一目標だ。
高3だけは一足早く、19日に同センターで北京師範大教師から「心理」の授業を受け、心の安定を取り戻す一歩を踏み出した。王小紅さん(19)は「震災で1日2時間しか勉強できないけど、湖南大で電子を学びたい」と前向きな気持ちを取り戻し始めている。
同センターの劉海中文化部長は「最大被災地の学校再開だ。震災復興に大きな希望の種になると確信している」と力強く話した。